「俺」は超能力者!!
鳴夜side
授業が終わり、僕は即下校した。
部活はやっていない。
親しい友人もいないので、遊びにも誘われない。
授業以外の他は何もする事がないので、まっすぐ帰る。
寄り道もしない。
それなりに完璧なぼっちライフを満喫している。
ただひたすら、徒歩で家に帰るだけ。
学校と家の距離はかなり遠いが、自分自身の希望で徒歩通学にしている。
「はあ…ララって、何者なんだろ?」
今日の一件の後、すぐにララは早退した。
担任をその理由を問い詰めたが、言葉を濁し、上手くかわされてしまった。
「明日からどうなるのやら…」
退屈はしないだろうと思いつつ、そんなこんな考え事をしていると、家についた。
無駄に広くて大きい我が家。
しばらく庭を歩いて、家の門の横にある
扉に手を掛け、家に入った。
「おかえりなさいませ。坊ちゃま。」
笑顔で迎えたのは、初老の男性。
比良家に代々仕えている爺やだ。
爺やは足腰が鍛えられているせいか、年齢の割には若く見える。
「ただいま。爺や。」
爺やは腕を出し、僕の荷物を受け取った。
すると、ハッとした顔で僕を見た。
「坊っちゃま!そういえば、ご友人の方がお見えになっております。」
「友人?名前は?」
僕に友人はいない。
「マクレーン様とお伺いしました。外国の方で、金髪がとても美しい女性でございました。」
頭をひねるが、そんな女性は知らない。
「ご友人の方は、応接間でお待ちしてしております。…では、私は仕事場に戻らせて頂きます。」
そう言うと、爺やは小刻みにステップを踏みながら、仕事場に戻った。
多分、爺やは大きな勘違いをしている。
僕の元に女性が会いに来たからといっても、春が訪れるわけではない。
深い溜息をつきながら、トボトボと応接間に行く。
扉を押し開けたが、中には誰もいなかった。
すると、突然背後から何者かの気配がした。
「よお。さっきぶりだな。ナル。」
後ろから声をかけられ、振り向く。
その声の人物は、腰まである長い金髪に、雪のような白い肌を持つ麗人がいた。
何より特徴的なのは、両目の金眼だろう。
正直、見惚れてしまった。
「何ボーとしてんだ?俺だよ。ララだ。」
ララと名乗る女性は、不思議そうな顔をした。
一瞬、何とも言えない間が出来た。
え?いや、あのララさん?まさか…。
「ほれ。今日、被ってたカツラ」
ズボンのポケットから、黒髪のおさげの片方を引っ張り上げた。
「まだ、認識できねぇか?ちょっと待ってろ。」
〜数分後〜
「ほら!どうだ。昼間の俺だろ!」
そこには、昼間のララがいた。
「あっ!本当だ!ララさんだ!」
「わかったらよろしい。てか、さん付けよせ。ララでいい。あと、手を見せてくれ。」
そう言うと、いきなりララが僕の手を掴んだ。
一瞬ドキッとした。
白くて綺麗な指…
異性に触れられるなんて始めてだった。
顔が徐々に真っ赤になっていく。
それに気づいたララは咄嗟に手を離した。
「…悪い。」
ララも顔が真っ赤になる。
それと同時に、あの時の記憶と現在が重なり、口からその疑問が出た。
「も、もしかして…ララはあの時の?」
「ああ…」
ララは歯切れ悪く答えた。
授業が終わり、僕は即下校した。
部活はやっていない。
親しい友人もいないので、遊びにも誘われない。
授業以外の他は何もする事がないので、まっすぐ帰る。
寄り道もしない。
それなりに完璧なぼっちライフを満喫している。
ただひたすら、徒歩で家に帰るだけ。
学校と家の距離はかなり遠いが、自分自身の希望で徒歩通学にしている。
「はあ…ララって、何者なんだろ?」
今日の一件の後、すぐにララは早退した。
担任をその理由を問い詰めたが、言葉を濁し、上手くかわされてしまった。
「明日からどうなるのやら…」
退屈はしないだろうと思いつつ、そんなこんな考え事をしていると、家についた。
無駄に広くて大きい我が家。
しばらく庭を歩いて、家の門の横にある
扉に手を掛け、家に入った。
「おかえりなさいませ。坊ちゃま。」
笑顔で迎えたのは、初老の男性。
比良家に代々仕えている爺やだ。
爺やは足腰が鍛えられているせいか、年齢の割には若く見える。
「ただいま。爺や。」
爺やは腕を出し、僕の荷物を受け取った。
すると、ハッとした顔で僕を見た。
「坊っちゃま!そういえば、ご友人の方がお見えになっております。」
「友人?名前は?」
僕に友人はいない。
「マクレーン様とお伺いしました。外国の方で、金髪がとても美しい女性でございました。」
頭をひねるが、そんな女性は知らない。
「ご友人の方は、応接間でお待ちしてしております。…では、私は仕事場に戻らせて頂きます。」
そう言うと、爺やは小刻みにステップを踏みながら、仕事場に戻った。
多分、爺やは大きな勘違いをしている。
僕の元に女性が会いに来たからといっても、春が訪れるわけではない。
深い溜息をつきながら、トボトボと応接間に行く。
扉を押し開けたが、中には誰もいなかった。
すると、突然背後から何者かの気配がした。
「よお。さっきぶりだな。ナル。」
後ろから声をかけられ、振り向く。
その声の人物は、腰まである長い金髪に、雪のような白い肌を持つ麗人がいた。
何より特徴的なのは、両目の金眼だろう。
正直、見惚れてしまった。
「何ボーとしてんだ?俺だよ。ララだ。」
ララと名乗る女性は、不思議そうな顔をした。
一瞬、何とも言えない間が出来た。
え?いや、あのララさん?まさか…。
「ほれ。今日、被ってたカツラ」
ズボンのポケットから、黒髪のおさげの片方を引っ張り上げた。
「まだ、認識できねぇか?ちょっと待ってろ。」
〜数分後〜
「ほら!どうだ。昼間の俺だろ!」
そこには、昼間のララがいた。
「あっ!本当だ!ララさんだ!」
「わかったらよろしい。てか、さん付けよせ。ララでいい。あと、手を見せてくれ。」
そう言うと、いきなりララが僕の手を掴んだ。
一瞬ドキッとした。
白くて綺麗な指…
異性に触れられるなんて始めてだった。
顔が徐々に真っ赤になっていく。
それに気づいたララは咄嗟に手を離した。
「…悪い。」
ララも顔が真っ赤になる。
それと同時に、あの時の記憶と現在が重なり、口からその疑問が出た。
「も、もしかして…ララはあの時の?」
「ああ…」
ララは歯切れ悪く答えた。