私が最後に盗んだもの。
「西王子にそこまで言うとかお前もやるな。」
「それ、恥ずかしくないの?
自称、西王子。」
「……お前…俺のこと知らねーの?」
「は?
なに?
ジャニーズか何かですか?」
「…まぁ、この高校のアイドルかな?」
「……そんな事、真顔で言わないで。
笑っちゃいけないのかと思うじゃん。」
「え?
今笑い求めてないから。」
「…嘘でしょ。…」
「…なんで距離取るの?」
「……やっぱ、あんた頭おかしい?」
「あんたじゃねーよ。
西園寺、通称西王子。
西王子って、呼んでくれてもいいよ?」
「大丈夫です。
もう名前を呼ぶことはないので。」
「何言ってんの?
今日から毎日呼ぶことになるよ?」
「はぁ?」
「今日から君を俺の専属メイドにしてやる。」