私が最後に盗んだもの。
彼の目を見るとまるで、
あの家から僕を連れ出して
と、言っているようで。
「分かった。
まぁ、今日助けてもらったし、
秘密にして欲しいから、
いいよ。」
「お前の許可なんか待ってなかったけどな。」
きぃーーー!
ほんとコイツムカつくわー。
「…じゃ、今日からよろしく。
僕のメイドさん?」
彼は上目遣いで、首を傾げ、そう言うと、
にっこり。
キラースマイルを私に見せ、
不覚にもドキッとした自分にまだ、気づいてなかった。