私が最後に盗んだもの。
「じゃ、帰ろっか。」
美容院を出て2人歩く。
「あ、」
姫が隣で声を出した。
「ん?」
私もその視線をたどってそこを見る。
「わぁ…」
そこには、黒髪の長身で顔の整った男の人が立っていた。
「おにーちゃん!」
姫が走っていった。
「おにーちゃん?!」
私もおって、姫のお兄さんに近づく。
「え…
姫?」
お兄さんが姫を見て驚いている。
「どぉしたんだよ姫!
…すっげー可愛いじゃん。」
「ふふっ、そぉ?
あたしの友達に、やってもらってん♪♪」
その言葉で、お兄さんの視線がこっちに来た。
「あ、はじめまして、満乃 海鈴です。」