私が最後に盗んだもの。
7〜手料理と可愛い一面〜
ーガチャっー
「…ただいまー……」
私はそっとそういった。
しかし、返事がない。
もう、コンビニとかで晩ご飯食べたのかな?
だって、もう、8時だ。
うん。
そうだ。
と、自分に言い聞かせ階段をそっと登る。
「えーリーかーちゃん?」
ぎくっ…
後ろからそんな声が聞こえてくる。
ゆっくり振り返ると
キュン。
すっごく綺麗な笑顔の西園寺くん。
「…本名エリカじゃない。」
「知ってるよ、そんなの。」
ヒィ…
今まで笑顔だったのに、
真顔になってしまった。
「……すいません。」
「こんな時間まで何してたの?
ご主人様のご飯も作らないで。」
「…友達のイメチェンに付き合ってて…」
「へー、ご主人様より、そのお友達を取るんだ。」
「すいません…」