私が最後に盗んだもの。
12〜ライバルと恋〜


「ごめんね…

ほんとに全部持ってもらっちゃって…」



「俺が勝手に持ってるだけだ。

気にすんな。」



しょぼんをしている私に西園寺くんは空いている左手で頭を撫でてくれる。


大きい手…


なんて、思ってると…


ーガシッー


「え?」

頭を鷲掴みされる。


「頭ちっちゃっ!


だから、脳みそちっこいのか!」

「痛いよっ!

ってか、頭小さくないからっ!

脳みそ詰まってるからね?」



「海鈴ちゃん。」



後ろからそんな声が聞こえて…

振り返ると…






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