私が最後に盗んだもの。
ー次の日ー
私はいつもより早く起きて学校の屋上へ行った。
ギーッ
屋上の重いドアを開ける。
しかし、そこには誰もいない。
「来てくれたんだ。
ERICAちゃん。」
私、ERICAじゃねーし、
ちゃんと海鈴って、名前あるんだけど。
なんて、思いながら、
「あなたは誰?」
「僕は君の大ファンで、君の恋人になるものさ。」
きもい。マジで気持ち悪すぎる。
「私は、恋をしない。
怪盗ERICAは人の心は盗むけど、
私の心は盗ませない。」
「いいよ、僕が君の心を盗んでみせるから。」
…こいつ、、、マジキモい。
だめだ、吐き気が…
「でも、私あなたの顔を知らない。
どんな人か、
どんな性格か、
どんな癖があるのか
私、全然知らない。
だから、顔を見せて。」
「僕だよ。
ERICA。」
そう言って出てきたのは…