少年惑星
少年の思惑
見慣れた景色、歩きなれた道路。
すっかり定着してしまったこの道を歩くこと、もう二年になる。
高校に入ったばかりのときは、電車なんてそんなに使ったことがないから、不安ばかりだった。
「おはよう!」
こうやって挨拶してくれる友達が、一年のときよりも増えたのは事実。
また、好きな人が出来たのも、初めてだった。
「よ、稀瑛!」
ニコニコと屈託のない笑顔を浮かべながら近づいてくるのは、同じクラスの男子、久保田智明だった。
智明とは一年からの縁で、初めて話しかけてきた男子。
最初はチビでうっさくて、もうとにかく第一印象最悪。
今も最悪で仕方がないけど、前よりはもっとましになったと思う。
ほんと、チビでうっさくてとにかく最悪なのに・・・。
「ねえねえ、稀瑛ちゃん。久保田くんにメアド教えて!」
毎度のように耳元で囁かれる言葉。
それに、私はこう答える(というか、拒否る)。
「私、アイツのメアドもケー番も知らないから。」
・・・・・・・何故だか、モテる。そして、ムカつく。