君と手を繋ぎたくて
「この人が…山口雛乃…先輩、ですか」
確信が欲しくて聞いてみると。
スマホをテーブルに置きながら、鬼頭先輩は頷いた。
「…似てるだろ、お前に」
鬼頭先輩の、言う通りだ。
あたしと山口雛乃先輩は、凄く似ていた。
髪の色も、笑うと右だけに出来るエクボも。
双子?と思えるほど、そっくりだった。
鬼頭先輩が、あたしを雛乃先輩だと思えるのは、仕方のないことだ。
「俺は中学から、コイツらと仲良くなったんだけどな。
雛乃と優志、華子は近所に住む幼馴染だ」
幼馴染……。
優志先輩と島田先輩が幼馴染とは聞いたけど。
まさか雛乃先輩という、もう1人幼馴染がいただなんて。
「…鬼頭先輩は、雛乃先輩が、好きだったんですか」
襲ったって、言っていたし…。
好きじゃないと、出来ないことだ。