君と手を繋ぎたくて
だけど、優志先輩はあたしからの告白を、オッケーした。
現在の関係が曖昧でも。
優しい先輩だけど、浮気なんてするような人じゃない。
そんな軽いタラシみたいな先輩だったら、あたしは好きになっていない。
先輩と、山口雛乃先輩は別れてしまったのか。
それとも…と、最悪の展開を浮かべてしまう。
信じたくない。
山口雛乃が、
もうこの世にいないのかもしれないと考えるのは。
だけど、もしそうだとしたのなら。
優志先輩のあの哀しげな瞳の理由も、わかる気がする。
恋愛に臆病になっている部分の理由も。
「……死んだよ」
鬼頭先輩は、少しだけ哀しげな瞳をしながら、あたしへ告げた。
その答えを聞き、あたしは静かに泣きだした。