君と手を繋ぎたくて
絶望の消えぬ瞳
☆優志side☆
『じゃあね、ユウ―――』
「……ッ!?」
俺は急いで、ベッドから飛び起きた。
嫌な汗をかいていて、髪や首元が濡れていた。
呼吸も上手く出来なくて、思わず胸元を抑えた。
「ユウ、いるんだろー?
宿題やってくれないかー?」
現実なのか夢の中なのか混乱している俺を現実へと戻したのは、弟の声だった。
弟は何度言っても、俺をユウと呼ぶのをやめない。
そのあだ名で呼ばれるたびに、俺が罪の意識に駆られるのを知らないで。
面倒そうなその口調からして、弟は何度も俺の名前を呼んだ。
ユウと呼ぶその声が、帰って早々昼寝をしていた俺の耳に届いて。
静かに涙を流す、アイツが夢の中に出てきたんだ。