君と手を繋ぎたくて
「そうだったのか…?」
「ユウ知らなかった?」
「あんまりそういう話は、しなかったから」
「そう。
あたしも、つい数時間前に知ったの」
数時間前、昇から雛乃が好きだと聞いた。
つまり数時間前…雛乃は昇たちと会っていたんだ。
じゃあその傷は…昇たちが?
でもどうして?
昇は雛乃が好きだったんだろう?
「今日教室の掃除当番でね、あたし。
急いで掃除し終えて、ユウの元へ行こうとしたの。
そうしたら校舎裏で昇たちに会ったの。
居たのは、昇だけじゃなかった。
凄くチャラい、見知らぬ男子も沢山居たわ。
あたしはそこで、突然昇に告白されたわ。
だけどあたしは、昨日の夜からユウに自分の気持ちを伝えようって考えていたから、素直にそう言って断ったわ。
そうしたら昇は…突然怒りだして、ね」
雛乃はゆっくりと涙を流した。
「あたしを、レイプしたの」