君と手を繋ぎたくて
その後も俺は何度も、雛乃の自殺を止めようと、必死になって叫んだ。
だけど、雛乃は決してその絶望のみ映す瞳を、やめようとしなかった。
「雛乃……」
「…ごめんね、ユウ」
その言葉に、嫌なドキッとしたその瞬間。
絶望の消えぬ瞳のまま、雛乃は落ちて行った。
「ひ…な…の……?
…雛乃おおおおおおッ!!!」
バンッ
「どうされましたか!?」
勢いよく屋上への扉が開かれ、懐中電灯を持った警備員が俺の傍へと駆け寄ってきた。
「どうされましたか!?
何かあったのですか!?」
「……ッ」
「あっ…大丈夫ですか!?
しっかりしてください!」
俺はその場で、気を失った。