君と手を繋ぎたくて








暫く俺が黙っていると、華子は泣きながら部屋を出て行った。






やっぱり、俺が殺したんだろうか?

例え雛乃の死が自殺とされても。

俺が手を離さなければ、良かったんだ。






「…俺が…コロ、した……」





口に出して言ってみると、肩に大きな荷物が落ちてきた感覚に陥った。

実際にあるわけではないけど。





昔、聞いたことがある。

罪を犯した人物は、一生重い十字架を背負っていくんだって。

実際に背負うわけではないけれど、もしかして…この肩に乗るような重みが、十字架なのか。

俺が、雛乃を殺したという…罪、なんだろうか?






じゃあ、俺は一生背負っていこう。

もう二度と、誰も好きにならない。

一生独り身で生きて行くんだ。





本当は雛乃のあとを追うべきなんだろうけど。

誰よりも優しかった雛乃が、誰かの死を祈ることはない。

例えそれが、昇であっても。







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