君と手を繋ぎたくて









引きこもっていることが多かった俺だけど。

さすがに高校へ行けと両親に言われたため。

俺は学校へと通いだした。





雛乃は転校したことになっており、事件のことは教師たちにしか知らされていなかった。

だからクラスメイトは、今まで通り俺に接してきた。

ちなみに俺は、風邪だと知らされていたらしい。





だけど俺はクラスメイトと同じように、今まで通り接することが出来なかった。

登校時も下校時も一緒にいた大事な幼馴染は消え。

物足りなさばかり感じていた。





クラスメイトとは、以前よりも接する時間を短くした。

1日の殆どを机に座って過ごし、話す言葉も必要最低限。

しょっちゅう助っ人に誘われていた昼休みのサッカーにも、参加しなくなった。





担任は事情を知っているので、何も言ってこなかった。

だけどクラスメイトは何も知らないから、何故いきなり俺が愛想悪くなったのか不思議で仕方なかったと思う。

次第に話しかけてくれた奴も俺とは必要最低限にしか話さなくなった。





それで良い。

誰とも関わらなければ、誰も傷つくことはない。

俺は大事な幼馴染で好きだった雛乃を殺した張本人だから。




この十字架は、一生背負って行く。

―――そう俺は、決心したんだ。





アイツと同じ名前を持つ、

あの子に会うまでは―――……。








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