君と手を繋ぎたくて
神様は、意地悪すぎる。
何度先輩を傷つければ、気が済むのだろうか?
どうしてあたしは、ヤマグチヒナノなの。
どうして雛乃先輩も、ヤマグチヒナノなの。
どうして、同じ名前の2人が、同じ人に恋をしてしまったの。
先輩を傷つけるだけだ。
名前も、顔も似ている人に好かれるなんて。
もしあたしが、ヤマグチヒナノじゃなければ。
もう少し、先輩の傍にいれたかもしれないのに。
駄目だ。
先輩の傍にいたいと願いたいけど。
もう、駄目だ。
先輩の傍になんて、いられない。
傷つけるだけだ。
あたしだけなら、傷ついても良いかもしれないけど。
先輩は、傷ついては行けない。
だってそれが、
ヤマグチヒナノの、願いなのだから。