君と手を繋ぎたくて
「…何騒いでいるんだ、聖志」
あたしの大好きな声が聞こえ、思わずピクッと肩が上下した。
イケメンアイス少年―――聖志くんは、鬱陶しく振り向いた。
「騒いでんじゃないよユウ。
変な女が来ているから、追い返そうとしているだけだよ」
変な女!?
追い返そうとしている!?
イケメンアイス少年のくせに、生意気だ!
イケメンだからって何でも許されると思ったら、大間違いだから!!
「……ヒナちゃん?」
「え、ユウ知り合いかよ」
「学校の後輩」
淡々と聖志くんの質問に答えて行く優志先輩。
私服姿は初めて見たけど、とてもかっこいい!
爽やかな、だけどラフな格好が似合っていた。
後輩、か。
まぁそうだよね。
…少し寂しくなったのは、置いておこう。