君と手を繋ぎたくて
扉を背にし、ふぅと溜息をついた。
ポタ、ポタ、と涙が流れてくる。
さようなら、
あたしの…初恋。
行こうと1歩を踏み出そうとすると。
突然後ろの扉が開いた。
扉を背にし、立っていたあたしは、グラリと後ろへ傾いた。
そして何かに思い切りぶつかり、そのまま背中を床に向け、倒れた。
「イタタタ…何?」
起き上がり、自分の背中の下にあるのを見てみると。
「ゆ、ゆゆゆ、優志先輩!?」
「…ひ、ヒナちゃん大丈夫……?」
ヘヘッとはにかむ優志先輩。
あたしは途端に真っ赤になるのが、自分でもわかった。