君と手を繋ぎたくて
「ヒナちゃん、少しうるさい…」
「あ、ごめんなさい!」
嘘嘘嘘!
あたしは何度も自分の頬を引っ張った。
だけど、痛みは感じて、夢じゃないことを知らされる。
「あたしが…ですか?」
「うん」
「本当にですか?」
「本当」
「嘘じゃないですか?」
「嘘じゃない」
「夢じゃないですか?」
「夢じゃない」
「雛乃先輩じゃないんですか?」
「違う。
俺は1つ下の後輩、山口陽菜乃ちゃんが好きなの」
「…信じても、良いんですか?」
「勿論」
止まったはずの涙が、滝のように溢れてきた。
だけど哀しい涙じゃない。
嬉しい涙だ。
「あたしも!
あたしも先輩のこと…大好きです!!」