君と手を繋ぎたくて








ニコニコ楽しそうに笑う佐竹先輩と、

言い方はぶっきらぼうだけど、どこか楽しそうな笑みを見せる優志先輩。

それを見て癒されていると、環奈に思い切り肩を引っ張られた。






「な、何環奈?」





横を見ると、環奈の顔がすぐ近くにあった。

そして、噂話でもするかのように、あたしの耳元に向けヒソヒソ話し始めた。






「どうしたのよ陽菜乃。
村木先輩に何かしたわけ?」

「何かしたって…?」

「前に見た村木先輩と今の村木先輩、全然性格違くない?
無表情ってイメージあったけど、今は笑っているし」

「良くない?
かっこいいでしょ?あたしの自慢の彼氏。
かっこいいからって、好きになっちゃ駄目だよ環奈。
環奈には、ちゃんと環奈を大好きでいてくれる佐竹先輩がいるんだから」

「た、確かにかっこいいけど。
私が浮気するわけないでしょ。
私はハル一筋なんだから。

って、話ズレてるし!」






環奈が突っ込んだところで、ギュッと後ろから佐竹先輩が環奈を抱きしめた。

…本当、朝からラブラブなことで。

夏でもこうやって人目を気にせずイチャイチャするから、正直暑苦しい。

でも、2人の相思相愛っぷりが知れて、良いんだけどね。

大事な友達と、その彼氏なんだから。

優志先輩にとっても大事な友達だし。

幸せでいてほしいもんねっ!











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