君と手を繋ぎたくて








「……ハァ」





黙っていた先輩が、ふと溜息をついた。

そして、肩に掛けている鞄を背負いなおすと。

真っ直ぐと佐竹先輩を見た。






「お前らには付き合っていられない」






淡々と感情のこもっていない声で言うと。

















―――グイッと力強く、手を引かれた。










「…えっ……?」

「…行くよ、ヒナちゃん」







あたしの手を優しく握りしめたまま。

優志先輩は、バカップルを置いて校舎へ歩きだした。









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