君と手を繋ぎたくて
「本当、ごめんなさい!
お怪我はありませんか!?」
「……大丈夫。
そっちこそ、怪我ない?」
頭を上げた彼女を見て、俺は思わず息を飲んだ。
―――似てる。
雛乃に、似てる。
生まれ変わり?
…なわけない。
聖志じゃないけど、俺もそういうオカルト系は信じない。
でも、生まれ変わりだと思えるほど。
目の前でひたすら謝る彼女が、雛乃に似ていた。
雛乃は、一人っ子だ。
その上イトコなど、自分より幼い子は親戚にもいないと言っていた。
…じゃあこの子は、赤の他人?
世界には自分に似ている人が3人いると言うけれど。
目の前の子が、世界中にいる雛乃に似た奴の1人なのか?