君と手を繋ぎたくて
入学式が行われているのは、学校近くの大きなホールで。
ホールの壁には陽の光が沢山はいる、窓があった。
その1つの窓に、何だか影が見えた。
今日は雲一つない青空だったはずなのに。
その影のある窓の近くには、先ほどの雛乃似の1年生たちがいた。
影に気が付かないで、話しながら歩いている。
…嫌な予感がした。
「危ないッ!」
誰かが叫んだ。
その瞬間、陰のあった窓ガラスが、勢いよく割れた。
破片が、スローモーションビデオを見ているかのように、ゆっくり飛び散っていく。
俺は走り出し、雛乃似の1年生の手を引いた。
もう1人の子は、同じく俺と一緒に走りだした、ハルが手を引いた。
俺とハルたちは、思い切り床に崩れ落ちた。
一斉に生徒や先生たちが走ってくる。
割れた窓ガラスの近くには、近くのサッカー場から飛んできたと思われる、サッカーボールが転がっていた。