君と手を繋ぎたくて
「わわわっ!
ご、ごめん!!」
「べ、別に構いませんよ…」
ハルと同じく真っ赤になっている子が、ハルに手を引かれながら立ち上がる。
「お、オレは…佐竹晴、です」
「や、山田環奈です…」
まるでお見合い場面を見ているような、ガチガチの自己紹介だった。
何でそんなことになっているのかわからなくて、その場に立ちつくしていると。
「……ふぁっ!」
気の抜けそうな声が聞こえ、俺は声の方向を向いた。
その声を発したのは、俺が助けた彼女だった。
「あ、あの…わわ……ッ」
「…どうしたの?」
何を言いたいのかわからなくて、聞いてみると。
彼女は答えなかった。
なので、その目線を追ってみると。