君と手を繋ぎたくて








「わわわっ!
ご、ごめん!!」

「べ、別に構いませんよ…」





ハルと同じく真っ赤になっている子が、ハルに手を引かれながら立ち上がる。






「お、オレは…佐竹晴、です」

「や、山田環奈です…」




まるでお見合い場面を見ているような、ガチガチの自己紹介だった。

何でそんなことになっているのかわからなくて、その場に立ちつくしていると。





「……ふぁっ!」





気の抜けそうな声が聞こえ、俺は声の方向を向いた。

その声を発したのは、俺が助けた彼女だった。





「あ、あの…わわ……ッ」

「…どうしたの?」




何を言いたいのかわからなくて、聞いてみると。

彼女は答えなかった。

なので、その目線を追ってみると。







< 178 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop