君と手を繋ぎたくて
「面白いというか、変なんですよ」
その後も陽菜乃ちゃんは、バドミントン部の変わった部内ルールを教えてくれた。
確かに変わっていて面白いものばかりで、思わず俺は笑みをこぼした。
楽しそうに話す陽菜乃ちゃんの話を聞いているうちに、ハルや環奈ちゃんの立つ入り口へとやってきた。
「あ、陽菜乃!」
「優志!」
2人の周りは何故か、ふわふわした空気が舞っているような気がした。
天使がラッパを吹き鳴らしたり、蝶が舞ったりとか。
本当に見えるわけじゃないけど、そんな雰囲気だった。
「…どうしたの環奈」
「陽菜乃、聞いて!
さっき入学式の時に話した憧れだった先輩に、再会しちゃったの!」
「優志、聞けよ!」
「……何?」
「前に話した、中学の時気になってた後輩女子いたじゃん?
その子と再会したんだよ!」
「「これって運命じゃないっ!?」」
ハルと環奈ちゃん、見事にハモって、俺と陽菜乃ちゃんはその場に固まった。
「す、凄いね環奈!」
「…おめで、とう」
俺らはぎこちなく、幸せオーラ全開の2人に拍手を送った。