君と手を繋ぎたくて
「ってことでだな、優志」
「陽菜乃」
「オレらデートして帰るから」
「陽菜乃は帰って良いわよ」
「はっ!?
ハル、何言ってんだよ!」
「環奈!?」
「「じゃあな(ね)-!」」
2人は手を繋いで、仲良く幸せオーラ全開のまま、ホールを出て行った。
「……あの2人、付き合うの早くないですか」
「あぁ…恐ろしいな」
暫くバカップルと化した2人の背中を見ていたが。
俺らはハッと我に返って、お互い顔を見合わせた。
「陽菜乃ちゃん、環奈ちゃんに置いてかれたけど良いのか?」
「村木先輩こそ…。
別にあたしは、駅までの約束でしたから…」
「俺もハルとは駅までだったから、良いんだけど…」
あり得ないだろ。
アッサリ再会してデートとか。
早すぎんだろ。
…突っ込みどころ、多すぎ。