君と手を繋ぎたくて
実はあたし、中学受験したことあるんだ。
中学受験して入学したのは、中高一貫の女子高。
中学の時は女子高で、高校も女子高のはずだった。
受験はあったけど、簡単にエスカレーター式で高校は行けた。
だけどあたしは敢えて、その女子高は行かなかった。
中学で出来た友人たちに別れを告げ、あたしはこの高校を選んだんだ。
友達には「行くな」と泣かれ、中3の時の担任には「馬鹿か」と叱られたけど。
あたしは本当に頑固みたいで、共学高校に行くことを曲げなかった。
両親は何も言わなかった。
むしろ、学費が安くなるわとか喜んでいた。
その女子高は私立で、学費が高かったからね。
中学から私立だったから、学費は物凄い額だったと思う。
両親はエリートじゃない普通のお仕事をしているから、負担をこれ以上かけたくなくて公立の共学を選んだのもある。
あと、中学時代の友人たちはとても良い子で優しくて、一緒にいて楽しかったけど。
さすが世間からお嬢様学園と言われている学校に相応しい家柄だったから。
価値観が合わなくて、疲れていた部分もあったんだ。
休日一緒に出掛けた先のお昼ご飯の値段が、3桁で収まらなかったもの。
お小遣いがいくらあっても足りなくて、両親にお小遣いの値上げを頼んだほど。
中学生だったからバイトなんて出来なかったもんね。
あんまり気軽に遊べなくて、寂しい思いもしていたんだ。
その上、あたしは少女漫画が大好きで。
周りからは不可能だと言われ続けてきたけど、少女漫画みたいな素敵な展開になることをあたしは望んでいて。
色々な理由から、あたしは今の共学高校へ入学したんだ。