君と手を繋ぎたくて
「…本当、陽菜乃ちゃん良い子だよね」
「え?」
突然言われ、驚く。
先輩……。
「俺、陽菜乃ちゃんのこと、好きだよ」
「えっ!?」
ストレートに、先輩は照れることもなく言いきった。
あたしの方が照れてしまうほどだ。
「…俺と付き合っても良いけど、多分…いや、絶対。
絶対…辛い思いするかもよ?」
先輩は、コールパンをテーブルの上に置いて聞いてきた。
そう言う先輩の方が、辛そうな表情を浮かべていた。
本当、今にも泣いてしまいそうなほど、辛そうだった。
「それでも良いなら、俺と付き合う?」
「……はい」
「後悔しない?」
「…はい」
「他の男の所、嫌になったら行っても良いから」
「そんなことしません!
あたしは、先輩だけが大好きです!!」
自信持って言えるよ。
先輩の傍にいられるのなら、辛い思いなんてしない。