君と手を繋ぎたくて
第2章
先輩の瞳
その日のお昼。
あたしは鞄を持って、環奈と一緒に教室を出た。
そして、朝ホームルームが終わった時に先輩に告白?されたテーブルへと向かった。
告白?と言ったのは、よくわからないから。
あたしは、優志先輩の彼女で良いんだよね?
世間で言うカレカノの関係になれたんだよね?
…何だか凄く曖昧な関係な気がしてならないや。
まぁ少女漫画とかでも、最初はこういうぎこちない関係だよね。
これからデートとか他愛もないお喋りとか繰り返して、漫画みたいになるんだよね。
よし、頑張ろう!
先輩たちのクラスは、まだ授業が終わっていないみたいで、誰1人見かけなかった。
なので環奈と2人、テーブルに座って先輩たちが来るのを待っていた。
「陽菜乃、おめでとう!
良かったね、憧れの村木先輩と付き合えて」
「ありがとう」
「最初はぎこちないかもしれないよ?
私だって、最初後輩だって思っちゃって、今みたいな関係じゃなかったもん。
だけどハルが、いつも通りの私で良いって言ってくれたから、今みたいな関係になれたんだよ。
だから陽菜乃たちも、いずれ私たちみたいになれるよ!」
「ありがとう環奈!
やっぱりカレカノの先輩が言うと、説得力あるよねぇ!」
2人して笑っていると、「ヤッホー」と佐竹先輩が来た。
その後ろに、優志先輩もいた。
優志先輩は授業中寝ていたのか、小さく欠伸をしていた。