君と手を繋ぎたくて
1人で少し恥ずかしくなっていると、教室から鞄を持った優志先輩と佐竹先輩が出てきた。
「優志、陽菜乃ちゃん優志に話があるんだって」
「…どうしたの?」
優志先輩は授業中寝ていたのか、1つ小さな欠伸をしていた。
その姿にさえキュンキュンしてしまうあたしは、重症かもしれない。
「ヒナちゃん?」
「あ、あの、その、あのですね…」
何て言えば良いんだろう?
「優志先輩、放課後空いていますか?
デートに行きませんか」
って言えば良いのかな?
でも直球すぎない?
そんなにストレートに言わない方が良い?
もっと控えめに言った方が良いよね?
…控えめにはどうやって言えば良いの?
「優志先輩。
あ、あたしとデートに行っても良いですよ!」
って言えば良いの?
…あたし後輩なのに、上から目線すぎるか?
あとどことなく、ツンデレっぽい?
あー、迷う!
―――あたしが1人でテンパっているのを、優志先輩・環奈・佐竹先輩が笑っていたのは言うまでもない。