君と手を繋ぎたくて







暫く島田先輩はそこで膨れていた。

ぷくっと頬を膨らますその姿は、とても可愛らしい。

島田先輩、話したこともないし、見たのも初めてだけど、とても可愛くて面白い先輩だな。





「ドンマイ、華子」

「確かにあんな堂々と話していたら、罰もくらうよねー」

「アタシたち、先に校庭に行って、お昼の場所取ってるから」

「華子も早く来るんだよ?」




教室から出てきた、少しチャラ目の先輩たちが、島田先輩の肩を叩いて下へ下りて行く。





「え?
ちょ、ちょっと待ってよ皆!
わたしのこと、手伝おうって気はないの?」

「だって、自業自得だし?」

「重いの、嫌だし?」

「華子だけ先生に受けた罰だし?」

「アタシたち、持って行けなんて言われてないし?」

「「「「華子頑張ってー!」」」」

「うわああん!
皆の意地悪ゥ――!!」





友達に見捨てられてしまった島田華子先輩は、ますます頬を膨らませた。

面白い先輩だなぁ。

でも、友達思いで、凄く優しそうな先輩だな。

人気者って雰囲気だもん。




島田先輩を見て色々なことを考え、心の中で笑っていると。

教室の中から、優志先輩が出てきた。






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