君と手を繋ぎたくて
「なるほど、ね」
あたしの話を聞き終えた環奈が、納得した様に頷いた。
「陽菜乃。
陽菜乃が村木先輩と島田先輩、だっけ?
その2人に感じた気持ちの正体、教えてあげようか」
「環奈、医者じゃないのに、わかるの?」
「勿論よ。
あたしにはハルという彼氏がいるんだもの!」
「……こんな時まで、環奈は惚気るの?」
「馬鹿ね、惚気るわけないじゃない。
つまり、恋愛経験豊富な私はわかるのよ!」
「恋愛経験豊富って…。
佐竹先輩が、環奈にとって初めての彼氏でしょ?
それは経験豊富とは言えないじゃ…」
「あー、つべこべうるさい!
良いから黙って聞きなさい!!」
環奈に叱られたあたしは、黙って頷いた。
「それは、ヤキモチよ」
「ヤキモチ……?」
あの少女漫画の定番の……?
「そう、ヤキモチよ。嫉妬。
誰もが持つ気持ちよ。
ちなみに、友達に対しても嫉妬する時あるのよ」
環奈の豆知識は置いておいて。
…あたしが、ヤキモチ焼いているの?
優志先輩と、仲の良い島田先輩に?