君と手を繋ぎたくて
「陽菜乃は村木先輩に嫉妬したのよ。
“何で優志先輩はあたしの彼氏なのに、彼女でもない島田先輩と話すの?
どうして彼女であるあたしよりも、島田先輩に笑顔を見せるの?”
ってね」
まるでスポットライトを浴びているかのように、環奈は話す。
…あたし、優志先輩に嫉妬していたんだ。
ヤキモチを焼いてしまったんだ。
「……ふぇ………」
「ちょっ、何で陽菜乃泣きだすのよ!」
再び泣きだしたあたしを見て、慌てる環奈。
あたしは環奈を見ながら、嗚咽交じりに話しだす。
「あ、たし…醜……い………」
「陽菜乃が醜い?
どうしてそんなこと言うのよ」
「だって…そんな気持ち、持っちゃうなんて…。
優志先輩に、悪いことしている……」
こんなすぐに、小さなことで嫉妬してしまうなんて。
簡単にヤキモチを焼いてしまうだなんて。
…こんな嫉妬深い彼女、普通だったら嫌だよね?
「何でそんなこと考えちゃうのよ!
陽菜乃って被害妄想激しいのね」
「環奈は持たないの!?
佐竹先輩が他の女子と話していて、嫉妬しないの?
平常心でいられるの!?」
思わず大声で言ってしまう。