君と手を繋ぎたくて
「おぅオハヨウ優志」
「おはようございます、村木先輩」
「……おはよう」
村木優志(むらき・ゆうし)先輩。
佐竹先輩の親友で、高校2年生。
あたしや環奈より1個年上だ。
そして。
―――あたしの好きな人。
小さく欠伸をしながら、佐竹先輩と環奈へ挨拶を返す先輩。
その姿さえも綺麗で、思わず何も言わないで見とれてしまう。
本当にかっこいい。
綺麗なチョコレート色の短髪に、二重の瞳。
すらりとモデルみたいな体躯。
成績もかなり優秀で、スポーツなども器用にこなしてしまうみたいだ。
「……おはよう」
何も言わないでボーッと見とれていたあたしに、先輩が声をかけてくれた。
急いで我に返ったあたしは、ピッと姿勢を伸ばした。
「お、おはようございます!」
そして90度を描くように頭を下げた。
暫く下げたままで、顔を上げてみると。