君と手を繋ぎたくて
素直になりたいんだ
☆陽菜乃side☆
「優志先輩ッ!」
あたしは声の限り、思いっきり叫んだ。
さっきまで流れていた涙はもう止まっている。
…大丈夫。
当たっても、あたしは砕けない。
あたしが先輩を、
誰よりも好きで、
誰よりも大事なことは、わかっているから。
自信なんてない。
だけど、好きな気持ちは変わらないから。
例え、優志先輩が本当は誰が好きでも。
あたしが優志先輩を好きだって気持ちは、変わらない。
「……ヒナちゃん」
優志先輩は少し驚いた顔で、あたしの名前を呼ぶ。
もし、言ってしまったら、この関係は壊れてしまうかもしれない。
だけど、言おう、素直に。
例え先輩の口から、
『ヒナちゃん』と聞けなくなっても……。