君と手を繋ぎたくて
「プッ…アハハハッ!」
突然、静かな空間の中、島田先輩の笑い声が響いた。
お腹を抱えながら、大爆笑する島田先輩。
…何でそんなに笑うんですかぁ。
いっきに恥ずかしくなるじゃないですか…。
「ヒナノ、アンタ最高だね!」
「ふぇ?」
「ごめんごめん。
言ってなかったよね。
わたしとユウシの関係」
実はわたしたち、恋人なんだ。
…そんなこと言われたら、どうしよう。
あたしは内心、思い切り焦っていた。
「わたしとユウシはね」
「うきゃああああっ!」
あたしは意味不明な言葉を叫んで、その場にしゃがみ込んだ。
その場所が、階段の途中だった。
一気にしゃがみ込んだあたしは、バランスを崩し、背中を下に向けたまま階段と垂直になる。
先輩方のギャラリーから、「キャア!」や「うわあ!」と言った叫びが聞こえた。
一方のあたしは、スローモーションに感じて、その上金縛りにあったみたいに体が動かないから、身動きも取れない。