君と手を繋ぎたくて

頭を何度も下げて謝っていると、優志先輩が小さく首を横に振った。





「ヒナちゃんは悪くないよ。
俺が勘違いさせるような真似をとったからだよ。

俺の方こそ、ごめんね。

アイツに対して笑っていたのは、苦笑に近いものだよ。
アイツと話していると、どんどん疲れてきちゃうから…。
華子は馬鹿だから、思わず苦笑するときが多いんだよね。

その点、ヒナちゃんは凄く話していて楽しいよ。
俺、感情表現するの下手だから、上手く表に出せないけど。

ヒナちゃんといるの、本当に楽しいと思っているよ……」





あたしは、滝のように涙を流し続けた。





「あたしも…先輩のこと、大好きです……。
ずっとずっと、傍にいたい……」





その場に座りこみ、あたしは号泣した。

本当に人間の体って、水で出来ているんだと実感して。

子どものように、泣きじゃくった。






…どうしよう。

さっきは先輩の傍にいられるだけで良いって思っていたのに。




どんどん欲張りになっている気がするよ。





あたし、先輩の彼女になりたい。

先輩の強みも弱みも全て受け止められる、そんな彼女に。

…馬鹿だね、あたし。

本当、大馬鹿者だよ……。