私の居場所
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多分ここが初めから私の居場所だったんだ。

私は最近仕事中にそう感じる時がある。

私は四大を卒業後、いわゆる大企業に就職した。

自分で希望した部署に配属され、懸命に仕事をした。

でも神経を尖らせて仕事をしていた私は、身体を壊してしまった。

あの時ほど自分の身体が自分の言う事を聞いてくれないと痛感した事はなかった。

親の願いにより泣く泣く仕事をやめ、田舎に帰った私は30歳に手が届こうとしていた。

私は実家で段々と体力と気力を回復した。

両親のおかげだと思う。

そして私はいつの間にか舞い込んでいたたくさんの見合い話を断り、再び仕事をすることを選んだ。

両親は残念そうだったけど、反対はしなかった。

そして今、小さな工場で事務をしている。

そろそろ勤めて、1年になる。

もうすっかり慣れて、パソコンを使うような事務仕事は大抵私の仕事になっている。
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