私の居場所
私はそのファイルを受け取る。

「最近の材料は福山に任せっきりだったから、いつもどれくらいの分量を一度に頼んでいるのか分からない。園美ちゃんに任せるよ。」

ちょっとしんどそうに見える敏さん。

「はい。」

私は前回の発注書の控えを見せる。

すると敏さんは頷く。

「うん、この分量で頼むよ。」

そう笑って工場へ戻って行った。

入れ替わりに奈緒さんが入ってくる。

「福山さんが居ないから、雅さんがイライラしてる。ああ見えても福山さんは、ちゃんとみんなの様子を見て、ちゃんと段取りをしていたんだね。則人さんが代わりにこき使われてるわ。」

奈緒さんはそんな旦那様の姿をずっと見ているのは忍びなかったんだろう。

どうやら事務所へ逃げてきたようだ。

「園美さんも寂しいわよね。」

「えっ？」
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