私の居場所
仕事も無事定時で終わり、そのまままっすぐ家に帰る。

「おかえり。あら、今日からだった?」

お母さんは私の顔を見た。

「そう。もう今日から福山さんは向こうの工場に行ったよ。」

昨晩は帰りが遅かったから話せず、今朝福山さんの事を簡単に話したから、お母さんもうろ覚えだったみたい。

「今日からしばらく私の夕飯もよろしくね。」

「それは構わないけど。何だか園美もちょっと寂しいわね。」

お母さんがチラリと私を見る。

「私は送迎と夕食の支度がなくなって、楽になるけど。」

私は何気にそう返事した。

「福山さんから何か言われた?」

お母さんが伺う様に私に聞いた。

「何の事?」

そんな私の様子にお母さんは何とも言えない顔をする。

「何も言われてないなら良いよ。」
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