私の居場所
「材料、届いたんだね。」

私は則人さんの声に我に返った。

「はい、今届きました。」

私は自分が無理に微笑んでいる事に気が付いている。

「俺一人で運べるかな。」

則人さんは材料を持ち上げようとしたが、なかなか持ち上がらない。

そこへ社長がやって来た。

「おう、手伝うよ。」

そうして二人で運んでいく。

ああ、颯太なら一人で何でもないように持って行ったな。

何だかとても懐かしいような、切ない思いに駆られた。

「ありがとう。園美ちゃん。」

二人がそう言って工場に戻るのを見送り、私はパソコンの前に座る。

ダメだ。

仕事はちゃんと集中しなきゃ。

きっと颯太はこんな私を見たら、怒るだろう。
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