私の居場所
「今週もご苦労様だったね。」
そんな雅さんに悦子さんが労いの言葉をかける。
「福山が居ないのは、なかなか痛いな。」
敏さんも肩をたたきながら笑う。
「福山さんは雑用以外にも、力仕事も引き受けてくれてましたからね。それを代わりにしていたら、この2週間で結構腕に筋肉付きましたよ。」
則人さんは笑う。
「でも社長、まだ残り2週間あるんだろう。」
雅さんは社長に聞いた。
「そう。あと2週間ある。でもうちも1か月で帰って来てもらわないと、大変だからな。これ以上は延ばすつもりはない。」
きっぱりと言う社長。
「雅さん、福山が帰ってきたら、そろそろ見習いを卒業させて、一人前の職人として扱ってやろうと思うんだけど、どうだろう?」
雅さんが敏さんを見る。
敏さんは嬉しそうに頷く。
「敏もこの通り賛成みたいだから、そろそろいいんじゃないですか。あとは嫁さんをもらってくれると安心なんだがな。」