私の居場所
みんなは大声で笑った。

そしてそれを合図にするかのように、解散した。

「園美さん、どうしたの?」

奈緒さんが近づいてきた。

「えっ?」

「何か顔が赤いよ。」

そうなのだ。

颯太の話を冷静に聞いていられなくて、私は下を向いたままお茶を飲んでいたのだ。

「お茶が少し熱くて。」

そうごまかしたが、奈緒さんの顔は何か言いたそうだ。

でもすぐに工場へ戻って行った。

奈緒さんなりの気遣いなのかもしれない。

そう言えば、今晩颯太が帰ってくることは伝えるべきだったんだろうか。

颯太はここへ寄る予定をしているのかな。

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