私の居場所
あっという間に、涙があふれる。

「うっ…、うぅ…、颯太…。」

もう嗚咽が止まらない。

温かいのは私じゃなくて、颯太の方だ。

「園、泣くな。今は園を抱きしめてやる事は出来ないんだから…。」

昼休みが終わってしまう。

でも泣き止めない。

「あっ、あり…が…とう…。」

私のこれが今の精一杯。

「土曜日にこっちを引き上げる。夜、家に来い。」

颯太はそれだけ言うと、電話を切った。

相変わらずだな。

私は泣きながら、そして笑った。










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