私の居場所
それで悦子さんはすべてを理解したようだった。

「頑張ったね。園美ちゃん。福山君に電話した事、そして私にこうやって話した事。」

そう言って頭を撫でてくれた。

ダメだよ、悦子さん。

また涙が出てきちゃう。

「福山君がね、向こうの工場に行く前にね、くれぐれも園美ちゃんをお願いしますって出て行ったのよ。福山君が園美ちゃんの事を心配していたのは、前から嫌ってほど感じていたの。でもまさかそんな事を言っていくなんて、もしかしたら何かが起こるんじゃないかと思っていたの。」

そして悦子さんは、続ける。

「それなのに、あんなことをみんなの前で言ううちの旦那さんは無神経だよね。」

悦子さんは苦笑いをする。

ん?

あれ?

「悦子さん!」

私の声にビクッとする悦子さん。

< 186 / 227 >

この作品をシェア

pagetop