私の居場所
定時で家に帰ると、両親は私を待ち構えていた。

私は昼休みに颯太に電話した事を話した。

「園美、悪かったな。」

お父さんが珍しくシュンとしている。

「あんな姿をして帰ってきた娘がやっと元の姿に戻ろうとしている。そんな園美をこれ以上傷つけたくなかった。」

やっぱり前の会社を辞めて帰って来た時の私は、私自身が思っているよりひどい状態だったんだろう。

「お父さんはお父さんなりに園美の事を考えての事だったのよ。」

お母さんはお父さんを見てから、私に視線を移した。

「ううん。分かっているから。ここまで私が元気を取り戻せたのは、やっぱりお父さんとお母さんのおかげだから。」

私は改めて二人を見ると、頭を下げた。

ありがとうと言う気持ちを込めて。

「俺達は園美を守る事しか考えてなかった。すぐにお見合いを勧めたのだって、家庭に入ってしまえばまた会社で身体を壊す事がなくなる。そんな事ばかり考えていたんだ。」

お父さんの気持ちは痛いほど響いてくる。

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