私の居場所
「どうしよう、お母さん。」

「私に言われてもね…。」

リビングで飲むだけ飲んで潰れてしまったお父さんと颯太。

あれからは嘘のように楽しそうにお酒を酌み交わしていた二人。

私はハラハラしながら、キッチンで片づけをしていたんだけど…。

「もうしばらくそのままにしておきましょう。」

呆れたように二人を見て、お母さんはリビングのソファに座る。

そして私に横に座るように言った。

「園美は幸せね。」

私はお母さんを見た。

「あの二人、真面目に喧嘩していたんだから。」

私は思わず苦笑いをする。

「園美。あなたは福山さんと離れてはいけないわ。あんなに園美の事を見ていてくれて、大事に思ってくれる人はいない。」

私の頬に涙が伝った。

「だから園美も福山さんを大事にしなさい。」

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