私の居場所
そうして何やら考えながら、福山さんは言葉を選んでいるような雰囲気。

そして出た言葉。

「園は俺の言う事を聞いていればいい。」

ますます分からない福山さんの返事に、私はおろおろする。

それを面白そうに見ている福山さん。

「あのう…。」

私はさっきから一番気になっている事を聞いた。

「私は何故福山さんに、園(その)と呼ばれているんでしょうか。」

緊張ですごく丁寧な口調。

もう返事なんかどうでも良いくらい恥ずかしい。

「俺がそう呼びたかったから。何か問題ある?」

そんな事かと言わんばかりの福山さんの態度。

「今までそんな風に呼ばれたことがなくて…、あの…。」

もう、私は何が言いたいんだろう。

すると福山さんは優しく笑った。

「それならますます結構。その呼び方は俺専用だから、他の奴にそう呼ばすなよ。」
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