私の居場所
だから言われ慣れなくて、余計に違和感を感じてるんですけど。

そう思ったが、その言葉はそのまま胸に押しとどめた。

そこで注文したものが届き、会話は中断された。

話さなくても良い状況にホッとしながら、黙々とうどんをすする。

その合間に盗み見るように、福山さんの顔を見る。

「俺に何か聞きたい事でもあるのか?」

からかうような福山さんの声に、私は顔が赤くなる。

「すいません。そんなつもりでは…。」

「じゃあ、どういうつもり?」

ますます意地悪をする福山さん。

「何にもないです…。」

何も言い返せない私は下を向き、食べる事に専念する。

やっとうどんの味を感じたような気がする。

「美味しい。」

思わず出てしまった感想。
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