私の居場所
「そうだろう。」

ちょっと自慢げに私の目を見る福山さん。

その表情に、不覚にもドキッとしてしまった。

さっきまでの緊張からのドキドキとは明らかに違う。

「園と一緒に来たかったんだ。」

そんな事言われると、嬉しくなっちゃうよ。

やっぱりいつもお世話になっている福山さんには悪い印象はない。

でもな…。

さっきまでの福山さんの様子が気にかかる。

「園、これからは遠慮するなよ。園が助けてほしい時には俺が居る。俺を頼れよ。」

きつい態度の中にも、以前からの優しい福山さんが見え隠れする。

「あのう…。」

「今度は何?」

福山さんはすっかり余裕を取り戻したようだ。

「私は何か福山さんを怒らせてしまったのでしょうか?」
< 30 / 227 >

この作品をシェア

pagetop